皮膚科医由美のドクターブログ
2018.07.06/ホクロ
ホクロ の 治療 :直径4ミリを超える大きな ホクロ
直径4ミリを超えるような ホクロ であっても ホクロ の細胞が浅い部位に限局していればきれいに治ります。しかし、深さのある ホクロ を全て根こそぎ取ると、凹みやケロイドのような皮膚表面の変形が生じてくることが多いです。
そのため、直径4ミリを超える ホクロ は目的に合わせて 治療 を工夫する必要があります。
注:悪性を疑う所見があれば レーザー治療 は行わず、手術的に一部もしくは全切除し病理検査をします。
○跡形をきれいに治す。
1回で全てを取らず2〜3回に分けて レーザー治療 を行います。
まず、皮膚表面の変形を起こしにくい深さまで炭酸ガスレーザーを照射蒸散します。次に、底に残った ホクロ の細胞に対して、Qスイッチアレキサンドライトレーザーという黒い色素を破壊するレーザーを照射します。2種類のレーザーを組み合わせることにより ホクロ の色素を効率よく減らすことができます。
それでも残った ホクロ の細胞は大きさや深さにより、初期照射から3ヶ月後に炭酸ガスレーザーもしくはQスイッチアレキサンドライトレーザーを使って追加治療を行います。
○大きい ホクロ を小さくして目立ちにくする。
4ミリより大きい ホクロ は目立ちますが、1〜2ミリになると目立ちにくくなります。
また、膨らみのある ホクロ は、膨らみをなくし平坦にすることで目立ちにくくなります。
そのため、 ホクロ を完全に取ることを目的とせず、大きさを小さくすること、色を薄くすること、膨らみをなくすことを目的とし、皮膚表面の変形が残りにくい範囲内まで炭酸ガスレーザーの照射を行います。
また、目元や口元のホクロ、胸元、首筋など、チャームポイントにされているホクロはあえて全部取らず小さく残す方もおられます。
○1回の治療でホクロをしっかり取りたい。
皮膚表面の変形が起こることを前提に ホクロ の細胞が残らない深さまで炭酸ガスレーザーを照射します。
ホクロ の深さによってクレーター様の凹み、ケロイド様の盛り上がりが残ることがあります。
○凹みや盛り上がる傷跡より、線状の傷跡がよい方
レーザー治療 ではなく、切縫治療( ホクロ をメスを使って切除し、傷口を縫い合わせる)を行います。